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オンラインツールに自分のファイルを上げても大丈夫か

約7分運営者が書いています

急いでPDFを1つにまとめたくて、検索して出てきた変換サイトにファイルを放り込む。押した直後に「あれ、これ大丈夫だったかな」と思ったこと、ありませんか。

たいていの場合は何も起きません。ただ、その「たぶん大丈夫」を毎回くり返すのは、けっこう落ち着かないものですよね。しかもそれが仕事の書類だったりすると、後から「あれ社外に出してよかったんだっけ」と思い出して、ちょっと嫌な気持ちになる。

この記事では、オンラインのツールに2つの作り方があることと、目の前のサイトがどちらなのかを自分で見分ける方法を書きます。誰かの「安全です」を信じるかどうかの話ではなく、確かめ方の話です。

「アップロードする」と、何が起きているのか

普通のオンライン変換サイトは、あなたのファイルをいったんそのサイトのサーバーに送って、向こうで処理して、結果を返してきます。この作り方には、はっきりした利点があります。重い処理でも速く終わるし、古いパソコンでも安いスマホでも同じように動く。作る側にとっても実装がずっと簡単です。

その代わり、送った側から見ると自分のファイルが他人のコンピューターに置かれた状態になります。いつ消えるのか、その間に誰が見られるのかは、そのサイトが書いていることを信じるしかありません。

ここで大事なのは、これが悪意の話ではないということです。まっとうに運営されていても、サーバーには自動のバックアップが走っていたり、障害を調べるためのログが残っていたり、外部の業者が保守に入っていたりします。「すぐ消しています」が本当だとしても、消えるまでの数時間や、バックアップの中に残った分までは、たいてい約束の範囲外です。

ここから先が端末の外
アップロード型
ファイルが向こうに置かれる。いつ消えるかは、書いてあることを信じるしかない。
ブラウザ内処理型
ファイルはタブの中から出ない。処理も結果も、その場で作られる。
違いは速さでも料金でもなく、ファイルが端末の外に出るかどうか。上は出て、下は出ない。

もう一方の作り — ブラウザの中だけで動かす

最近のブラウザは、けっこう何でもできるようになりました。音を解析したり、動画を圧縮したり、PDFを組み直したり、AIのモデルを動かしたりまでブラウザの中で完結します。つまり、サーバーに送らなくても同じ仕事ができるんです。

この作りだと、さっきの心配ごとがまるごと消えます。「ちゃんと消してくれているかな」を信じる必要がありません。最初から預けていないからです。

もちろん弱点もあります。処理の速さがその端末の性能に左右されるので、古いパソコンだと待たされます。大きなAIモデルは、メモリの少ないスマホでは動きません。とても大きいファイルを扱うと、タブごと落ちることもあります。アップロード型のほうが向いている場面は、はっきりあります。

目の前のサイトがどちらなのか、見分ける

ここからが本題です。説明文に「安全」と書いてあるかどうかではなく、実際にどう動いているかで見分けます。3つ方法があって、下にいくほど確実です。

1. 待たされ方を見る

いちばん手軽な見分け方です。アップロード型は、ファイルが大きいほど最初の待ち時間が長くなります。回線の速さで変わり、外出先の細い回線だとはっきり遅くなります。ブラウザ内処理型は逆で、最初の待ちがほぼ無く、そのかわり処理そのものでパソコンが熱くなったりファンが回ったりします。待たされているのが回線なのか、自分のパソコンなのか。これだけでもだいたい分かります。

2. 機内モードにしてみる

ページを開いたあとで通信を切って、それでも動くなら、それはブラウザの中で動いています。ただし1つ注意があって、必要な部品を後から読みに行く作りのサイトだと、一度も使っていない状態では動きません。なので「一度ちゃんと使ってから、通信を切ってもう一度」の順番で試してください。

3. 開発者ツールで、実際の通信を見る

これがいちばん確実です。ブラウザの開発者ツール(WindowsならF12、Macなら⌘+⌥+I)を開いて「ネットワーク」のタブを出したまま、ファイルを処理してみてください。そこに流れる通信が全部見えます。

ここで先に言っておきたいことがあります。開いたら、たぶん通信は出てきます。広告、アクセス解析、フォント。無料で運営されているサイトなら、まず何かしら出ます。それを見て「なんだ通信してるじゃないか」と思ってしまうと、この確かめ方は使えなくなってしまいます。

見るべきなのは通信があるかどうかではなく、その通信にあなたのファイルが載っているかどうかです。広告の通信は数KBです。あなたが放り込んだ10MBのPDFが送られていれば、そこに10MBの行が立ちます。立っていなければ、送られていません。

ネットワークタブに出てくるもの
広告(数KB)
出る
アクセス解析(数KB)
出る
フォント・ページの部品
出る
あなたが選んだファイル(10MB)
出ない
サイズの列を見るのがいちばん早いです。数KBの行しか無ければ、大きなファイルは動いていません。
開けば通信は出てくる。確かめるのは「通信が無いこと」ではなく「そこに自分のファイルが無いこと」。

会社のファイルを扱うとき

仕事で使う場合、話はもう少し面倒になります。情報システム部門が確かめたいのは「このサイトは通信をしていません」ではなくて、「うちのファイルが外に出ていません」だからです。前者はうそになりますし、後者は言葉で言っても伝わりません。

このサイトでは、その説明のために通信内容の開示というページを置いています。通信する相手を先に全部挙げて、そのうえで何が載っていないかを表にしたものです。宣伝の文章ではなく、確かめるための資料として作ってあるので、社内で共有する必要がある場合はそのままお使いください。

それでも、最後は自分の目で見るのがいちばんです。上の3番の方法は、どのサイトに対しても同じように使えます。うちのサイトに対しても、どうぞ遠慮なく。

このサイトの道具について

ついでなので書いておくと、StemStudioの道具はすべてブラウザ内処理型です。音源の分離も、ファイル変換も、画像や動画の圧縮も、PDFの結合も、処理はあなたのブラウザの中で終わります。

ただし、そうでない道具も少しだけあります。自分のグローバルIPを調べるのは、そもそも受け取った側にしか分からない値なので、こちらのサーバーを1回通ります。DNSを引くときは入力したドメイン名が外部の公開DNSへ渡りますし、回線速度の測定は実際にデータを流さないと測れません。天気地震は気象庁のデータを読みに行きます。この5つは、通信するのが仕事そのものなので避けようがありません。そこを黙って「全部安全です」と書かないために、上の開示ページがあります。

まとめると、待たされ方を見る・通信を切ってみる・ネットワークタブを開く。この3つで、目の前のサイトがどちらなのかは自分で分かります。書いてあることを信じるかどうかで悩むより、こちらのほうがずっと早いです。

この記事で紹介したステム分離は、ブラウザで無料で試せます(登録不要・音源は端末から出ません)。

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